蜜月の由来

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「蜜月(みつげつ)」 の由来

テレビで豊臣秀吉と千利休がでてきて二人は「蜜月」だと紹介されていた。
この蜜月ってのは前からなんとなく「すごく親しい間柄」という意味で理解していたんだけど、その読み仮名も「みつげつ」ってのもあっていまいち自分の中で消化しきれませんでした。
なんとなく言葉に出しても歯切れが悪いんですよね。
言い辛いし、どうも腑に落ちない。
調べてみたらすぐに面白い事実がみつかった。

キーワードは英語の「ハネムーン」なんだって。

なんでこの漢字が使われているかというと英語の「Honey moon」の直訳だからなのだそうです。
ハネムーンといえば、新婚旅行のことで、「新婚夫婦がとる休日」となります。

ということで、ハネムーンの由来を調べてみると、古代ゲルマン民族が結婚後30日間ハチミツで作った酒(英語meadフランス語hydrome)を飲む習慣があったことに由来するのだそう。
「moon」は空の月ではなく陰暦の月の意味であり、「ハチミツ酒」と「(陰暦の)月」の合成語として「honeymoon」が生まれたのでした。

honeyはもとから蜂蜜の意味でしたが、このことから甘い蜜、甘美なもの、いとしい人なども指すようになったといいます。
新婚後の幸せの絶頂の期間を「honeymoon」と呼ぶようになり、それが後に、新婚旅行などの期間を指すようになったと考えられます。
でもなぜ蜂蜜なのか?という疑問については、新婚カップルは早々に求められるものがあり、花婿の滋養強壮(精力増強効果)に良いとさていた蜂蜜水を飲ませていたそうです。
こういった習慣はヨーロッパ各地で中世まで続いていたんだって。
また、月についても「月(moon)」と「ひと月、ふた月」の「月(month)」の両方の意味があるのは女性の生理周期と関係あるようです。どちらも奥が深いなぁ。
ということで「蜜」も「月」もハネムーンの由来を表現する適切な漢字なのかもしれませんね。

honeymoonの語源について英語の辞書などには興味深い一文があるそうです。
「この語は1ヶ月という月とは関係なく、新婚夫婦のお互いの愛情が変わり行くのを月にたとえた」
これは新婚夫婦も月が欠けるように愛情もそのうちなくなって行くものだという冷めた見方がhoneymoonにはあるというものです。
それを反映してなのか、日本においてもこの言葉「蜜月」が表現するところは「一時的な情熱」といった関係に用いられることが多いようです。
今思えば、だから言葉のイメージが悪かったのかなと・・
ハネムーンなら幸せ絶頂なはずなのに・・

そして冒頭のお二人の話。
蜜月だったはずの二人でありましたがいつしかすれ違い秀吉は千利休に切腹を申しつけるのでした。




居住地域:北関東 年齢:70年代生まれ 趣味:釣り、散策 言葉の由来を調べています。言語学者とか研究家ではありません。 ただの一般人です。記事は仕事の合間に書いてます。 プロフィール詳細 Twitterでフォロー

2 Comments

  1. ぴのこ - 2014年1月19日, 11:39 PM Reply

    >また、月についても「月(moon)」と「ひと月、ふた月」の「月(month)」の両方の意味があるのは女性の生理周期と関係あるようです。

    月、というのは単純に月の満ち欠けで1ヶ月を決めていたことであって、生理とは関係ないんじゃないですか?

  2. かめやん - 2017年3月3日, 2:56 AM Reply

    夜寝る前にふと「蜜月」って、なんだ?
    と思って、検索したらこのサイトを見つけました。

    すごい!参考になりました(*^^*)

    一時的に深まってる情愛ともとらえると、ホント深いですねー。

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